世紀のカジノ対決!アメリカ大統領「ドナルド・トランプ」と戦った日本人ハイローラー「柏木昭男」のバカラ勝負に迫る!
世界的に有名なギャンブラー「柏木昭男」
世界的プレイヤーになった29億円の勝利
トランプ氏が柏木氏をカジノに招いた事から勝負が始まる
この対決のスタートは、ドナルド・トランプ氏が柏木氏を自身のカジノへ招いた事から始まりました。
カジノの運営において、小さなベットを繰り返す一般客エリアでは、人件費や運営コストを考えるとカジノは赤字を被ることも多いのです。ですので、カジノ経営においては、柏木氏の様な高額なベットを繰り返す「ハイローラー」といわれる人物に負けて貰うことが一番重要とされています。
トランプ氏は、オーストラリアで大勝利を掴んだニュースを耳にし、ニュージャージー州アトランティックシティのカジノ「トランプ・プラザ」に来て貰う為に、すぐに柏木氏にアプローチ。自家用ジェットを用意して迎えにきたのです。
初回の勝負は柏木氏の勝利。
そして、トランププラザで柏木氏の得意ゲーム「バカラ」で勝負が始まりました。
1度に25万ドル(当時のレート:約3700万円)ものベットが賭けられ、何度も勝負を繰り返す柏木氏。夕方から始まったプレイは、翌朝2時の段階ではカジノ側が+200万ドル。しかし、伝説のギャンブラー柏木氏の真骨頂はここから・・・、怒濤の23連勝で結果的に初日は柏木氏が400万ドル(約6億円)の勝利となり終わりました。
翌日にも、柏木氏とトランプカジノの勝負は続きましたが・・・、この高額で行われる世紀の勝負の情報を仕入れた地元メディアが騒ぎ出してしまい、柏木氏は200万ドル(約3億円)の勝利を掴んだ時点で勝負を止めてしまったのです。
結果、勝負は柏木氏の600万ドル(約9億円)の勝利で終了となりました。カジノ最大の損失額を被った、この勝ち逃げにトランプ氏は心底ご立腹だった事でしょう。
セカンドラウンドでトランプ氏がリベンジ。
負けたままでも終われないトランプ氏は、今度は「柏木氏 vs トランプカジノ」ではなく「柏木氏 vs トランプ氏」という形で直接対決を申し出たのです。
その舞台は初戦から3ヶ月後に訪れました。
この勝負に際してのルールはこちら。
・ベット額は20万ドル(約3000万円)
・勝負終了は、どちらかが1200万円の勝利又は敗北
2回目の勝負は1週間も続く激闘となりました。両者の勝利・敗北を経ながら、最終日には柏木氏の勝利が続き、+925万ドル(約14億円)という所まで達します。
この時点で、トランプ氏は、−1000万ドルになったら勝負を下りると宣言。
今思えば、不動産王にのし上がり、その後アメリカ大統領の座まで手にしてしまう「勝利の神」に愛された人物「ドナルド・トランプ」が負けるはずがなかったのかもしれません。
下りるという宣言までした弱気なトランプ氏でしたが、ここから盛り返し、数時間後には、プラスマイナス0の状態に・・・、そして、その10時間後には、なんと柏木氏が−1000万ドル(約15億円)となってしまったのです。
この時点ではトランプ氏は、ゲーム終了を提案。柏木氏の同意でこの伝説の勝負は「トランプ氏の勝利」で幕を閉じる事になりました。
この伝説の勝負は、映画の一部にも。
この勝負は、アメリカでもとにかく有名になり、マーティン・スコセッシ監督が手がけたロバート・デ・ニーロ主演の映画「カジノ」の劇中の一部にも。
「ウォーリア」や「ホエール」と呼ばれた柏木氏のその後・・・
1992年1月に変わり果てた姿で発見。
大勝負から2年後の92年1月3日夜、その御殿の20畳ほどの台所で、社長は顔や首など約20カ所をメッタ刺しにされた状態で発見されたのだった。
この事件ではトランプ氏も含め様々な憶測が飛び交っています。
1997年の著書「The Art of the Comeback」